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18「10月としあわせの話」

10月が好きだ。

家好きの私が信じられないくらい外へ繰り出す。公園だってキャンプだって最高!





10月が好きで好きでたまらなく、結婚式も10月に挙げたほどだ。 その日の空気はとにかく澄んでいて空高く・・・

「心地よい」とはこれを指すのだと教科書にでも載せたいほどで、

披露宴会場のスタッフには「今年1番の御日柄」だと言われた。

お決まりの文句だとは重々承知なのだが、実際そこから伊豆七島すべてがはっきり見えるのは

本当に稀なようだし悪い気はしない。

一緒の時間を過ごした家族や友人が過ごしやすいのは

私達にとって最重要であったから本当に何よりだった。





春ではなく秋が好きな理由はそんな思い出す幸せな記憶があるからだ。 まだある。

そう、食べ物がおいしいこと。言わずもがな。

秋の芋栗南瓜に秋刀魚やら食材一つ一つをどれだけ愛しているかを話し出したら切りがないのだが、

食材以上に「これなのよ・・・」と思う節がある。

オーブン料理や煮込み料理が作る喜びだ。

その喜びのために夏の暑さがあるのなら、あのうだるような熱気にも感謝が湧いて仕方ない。

季節に逆らわず地のものを優しく施し食卓に並べる。

住んでしまいたいほど台所が好きな私だから、じっくり向き合う時間は至福そのものである。





暦を大切に…などというと丁寧に暮らせてヨーゴザンスネと一蹴されそうだが、

自分の幸せは自分で見出し生み出すまでのこと。

私の喜びなんて誰かにとってはちっぽけだけれど。

てのひらに収まる幸せで充分。 片手に収まる人と心通えば充分。

手の届く範囲のすべてを大切にしたい。 それが叶わなくなるならどんなに大義あることでも私の暮らしには不要なのだ。

語るべき功績など私には持てる器もないのだから、ささやかな楽しみを日々の中で見出し人生の最期まで

機嫌よく穏やかに微笑み合うべく人と心交わしていきたい。





さあ、たくさん出かけよう。 さあ、たくさん台所に立とう。


だから私は10月が好きだ。