14「食べること」



10代で食の悩みを抱えた私。

同じ思いをする人が増えていくのはとても悲しい。 だから食の心持ちをこどもが自らが気付き育む場をと「和食育こころ」を始めました。

「野菜を通して」や「節句」などハレの日の意味から伝える食育が多い中、

わたしは「ケノ日」すなわち日常に重きを置いています。

そして調理はひとつの手段だと考えているので、料理できることがゴールとしていません。

「栄養バランスや彩りを考えて料理ができる」 「自分の体を想い台所に立つ」

このふたつはイコールのようですが私がこどもにのこしたいことは後者です。 不安に押しつぶされそうな日。一分でも長く寝ていたい疲労困憊の日。

食事に対しておざなりになりがちなそんな朝でも、 我が子には味噌を溶いただけのものでいいから味噌汁を飲んでいってほしい。 そんな時こそ茶碗にごはんをよそうだけでなくおむすびを自分のために結んでほしい。

仕事先でお客様のために、部活で仲間のために、

なにかを届けたり伝えるために必要なのは自己犠牲であってほしくない。


きっと、必ず、自分を大切にしている人の言葉には信念や魂が宿ると思うし、

何より顔色よく生き生きとした姿が人の心を動かすと思うから。 ここぞ、で飲む手作りの味噌汁は小さなビンの栄養ドリンクに勝ると本気で思う。





自分で結んだおむすびは

大切な人からのエールに匹敵するほど励みになると思う。





それを言葉で伝えるのはとても難しくて、だから私は今日も台所に立ちます。 我が子だけでなく、こどもたちに・・・私なりの形で、生きる意味だと思っています。


そしてもし今、食の悩みを抱えているかたがいらしたら是非一緒に手前味噌を作りましょう。 一緒に味噌汁をすすりましょう。


病気を理解されないことも苦しさを生むと思います。 でも摂食のことに関わらず、病気以外の何においてもすべての人に理解される必要はなくて。

寄り添ってくれる存在というのは、一部分だけを切り取って心配したり励ましたりするのではなく

そんなことに関係なく心が通う存在で何人もいなくていい。


治らなくても悪化しても変わらずに隣にいる人なんて

世界中どこを探してもいないように感じて辛いかたを想い、料理家として歩んでいきます。





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