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09「茶を淹れる時間」



暑い。

だからこその楽しみがあることに意識を向けるからか我が家は皆、夏が好き。




器好きの私にとっての喜びは、ガラスが食卓で涼しさを醸し出してくれるところと 青い色がすっと心穏やかにしてくれるところだ。


特別なものには手は出ないが、それでも旅の楽しみにと こどもをちょっと待たせて主人とふたり選んだ青が効いた茶器は特別好き。





店の中ではほかの器に目が行っていた私、

正直200%主人の好みに委ねての選択だったのだが 使うたびに良さを見出せるのは「思い出を大切にしたい」想いからなのか。


すごく薄く口当たりがよい。 そして温度を感じる。

蓋があり、まさに来客用なのだが 良い器だからこそ我が子に使わせてみたくなってしまった。


平日朝の、時間に追われるあの感覚はなんとも苦手な私。


夏休みについ緩んでしまうのはこどもより私で それは伸び切ったゴムのようだが 何年も着ている寝巻を纏ったようで心地よい。


そんな心地よい夏休みの朝に次女とお茶を淹れてみた。 「と」のつもりが結局は次女「が」自分で出来るとの気付き。


5年生長女は家庭科で茶の淹れ方を習い、 ご丁寧にそれをポスターにしてくれたので母要らずである。

記載通りに時間をはかる。

そういった丁寧さがおいしさに繋がるのだと思い出させてくれる。





器を温めるのも忘れずに。





温かいお茶を淹れる時間でも、何かに集中することは暑さ寒さを超えるように思う。


丁寧にはなかなか暮らせないけれど その家にとっての心地いい暮らしはいつだって自らの手で生み出せる。


あなたと対面に腰掛けて、微笑み交わす時間。 娘、だけれど一人の頼もしい「人」と映る。

今度は蓋の置き方を伝えようか、茶托を用意するタイミングもね。

今すぐ伝えられることも、ひとつずつひとつずつ。 ゆっくりと時を感じるのも意識次第。





見守るではなく、向き合うことでしか見えないあなたもいるね。





夏休みって、いいね。