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03「庭」



植物への関心は高いほうだと思う。


育った家の庭にはシンボルツリーがあった。 家を建て替えた時も残したその木にはひっかき傷がある。


飼い猫が下りられなくなってつけたその傷を 帰省の度に記憶を辿り探し出して触れる度に 私は小学生の自分に会えるのだ。


香りがいいとかつぼみが愛らしいとか食べられるとか どの季節にも五感すべて訴えかけてくれる庭は 一人遊びが大好きな私の特別な居場所であり、 小人や妖精などは残念ながら見える質ではなかったが 不思議とひとりではないような感覚だった。


庭が絶えず楽しみのある空間だったのは 庭師の父の想いや思いやりからだったと気付いたのは 5年前に今の家に越してからだ。


あれこれ考えず「好き」を植えてみたいのだが さて日影がいいのか風通しはどうか。


やはり命ある生き物なのだな、と気付かされ 居心地よさそうに風にたなびく姿を想像すると 気付けば父に電話をかけていた。


約束を取り付けて庭木を一緒に選びに行き はじめて自分で選んだ木を迎え入れる嬉しさったら!




愛しくてたまらない想いで接すると 心が通う気がしてくる。




私のように子供たちも 庭の草木に思い出を重ねるのだろうか。


そう考えると一層大切に思えて。 暮らしに恋して、庭に恋して、心地いい暮らしです。